最終更新:2025/03/19(JST) 記事番号:000002
最終編集者: 管理者(Keita Kunishi)
deepin News 日本語版の記念すべき最初の記事(翻訳記事を除く)は、deepin Linuxのインストールガイドです!
deepinのインストール方法や日本語環境の構築方法がわからないという方、これからdeepinを試してみたいという方にお勧めの内容となっています。
画像付きで初心者でも安心してインストールを行えます!
この記事では、OSのインストールについて解説しています。すべてのステップにおいて操作を検証し、記事の内容には万全を期していますが、ご利用の環境により表示や設定、操作方法が異なることがあります。操作ミスや設定値の誤りなどにより、PCのデータや本体、周辺機器等に損害をあたえる可能性がありますので、リスクのある行為であることを十分理解したうえで、すべての操作はご自身の責任において、くれぐれも慎重に行ってください。当サイトはこの記事の内容に起因する損害について一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
全体の流れとしては、ほかのLinuxディストリビューションと同様に、"isoファイルのダウンロード→インストールメディアの作成→インストール→日本語環境構築"となります。ここでは特筆すべき点はありませんが、各ステップごとに注意点もありますので、詳細を見ていきましょう。
deepin 23のインストール要件は、次のようになっています。
プロセッサ: 2.0GHz以上のマルチコアプロセッサ(最低要件)
メモリ: 8GB以上の物理メモリ(最低要件)
ハードディスク: 64GB以上の空きディスク容量(SSD推奨)
ディスプレイ: 1920×1080以上の画面解像度(推奨)
快適に使用するには、もう少し高いスペックを持ったマシンを使うことをお勧めしますが、これでもインストールは行えます。また、次のものもインストールに使用します。
16GB以上のUSBメモリ
これらを用意出来たら、次のステップに移りましょう。
何はともあれ、まずはisoファイルのダウンロードからです。このページにアクセス(英語)するか、右上のDownloadをクリックしてから移動するをクリックし、ダウンロードページを開きましょう。
ページを開いたら、赤枠の部分からインストール先のコンピューターに合ったアーキテクチャの欄にあるDownloadボタンか各種ミラーサイトのボタンをクリックしてダウンロードしましょう。公式ミラーが一番無難です。
isoファイルをダウンロードしたら、インストールメディアの作成です。
Deepinのインストールメディアを作成するのに使用するソフトウェアは、Ventoyとなっており、ほかのLinuxディストリビューションとは異なっていますので、注意が必要です。
始めに、このページから使用環境に合ったVentoyをダウンロードします。(SOURCEFORGEのダウンロードページが開きますので、そこでもう一度同じファイルを選択してください。)
ファイルをダウンロードしたら、解凍(展開)しましょう。(画像はWindows11の場合)
ファイルを解凍(展開)後、解凍したファイルの中にある"ventoy-バージョン"のファイルを開きます。
中にVentoy2Disk.exeというアプリケーションがありますので、それを実行しましょう。
このように警告が表示されることがありますが、この警告は認識できないことを示しており、有害なものであることを示しているわけではありませんので、詳細情報をクリックしてから実行をクリックしてください。UACのプロンプトが表示されたら、そのまま続行しましょう。Ventoyは安全なアプリケーションですので、ご安心を。
Ventoyを起動したら、インストールメディアにしたいUSBメモリを接続してましょう。表示されないときは、緑色の更新ボタンをクリックすると表示されるはずです。対象のUSBメモリ内にあるデータはすべて削除されますので、必ず確認をしてから、Installをクリックしましょう。クリックした後、誤操作によるデータ削除防止のため、2回確認が表示されますので、問題なければ続行してください。(画像ではVentoy In Deviceの欄に記載がありますが、初めてインストールする場合は空欄になっていますので、そのまま続行しても問題ありません。)
インストール処理が完了したら、PCを開いて、Ventoyと書かれたドライブを探しましょう。VTOYEFIと書かれたものもVentoyによって生成されていますが、今回はここを変更する必要はないので触らないでおきましょう。
あとは簡単です。先ほどダウンロードしたisoファイルを開いたドライブにコピーするだけです。
コピーが終わったら、インストールメディアは準備完了です。お疲れ様でした!
あとは実際にインストールするだけです!
インストールメディアの作成が終わったら、いよいよインストール作業に移ります。ですが、その前にインストール先のPCで次の下準備が必要な場合があります。
起動順序変更
セキュアブート無効化
こうした設定がなぜ必要なのかについてですが、まず、起動順序変更については、一部のPCでは、一時的に起動順序を無視してUSBメモリから起動する、という機能がついていないことがあります。そのため、起動順序を変更し、インストール作業の終了後に必要であれば同じで順で元に戻すといった手順が必要になります。また、セキュアブート無効化については、Ventoyがセキュアブートに対応しておらず、エラーが発生するため、セキュアブートが有効になっているPCでは設定を変更する必要あります。どのインストール先のPCにかよって必要であるかどうかは変わります。
警告:これらの設定を変更するには、PCのBIOSにアクセスする必要があります。BIOSはPCメーカーや機種によって設定画面の入り方や各種表記、機能、配置などが異なっていますので、設定方法はインストール先PCのマニュアルなどをよく読んだうえで操作はマニュアルに従って行ってください。これらの設定を誤った値にすると、PC本体やデータに損害が発生する恐れがありますので、くれぐれも慎重に操作してください。今回の記事では、LenovoのThinkCentre M75q-1を用いて解説を行っています。ご自身の環境に合わせて設定項目を置き換えてご覧ください。
では、上記を踏まえた上で起動順序変更から始めましょう。インストール先PCをシャットダウンし(起動している場合)、電源ボタンを押して電源を入れます。電源が入ったら、Enterキーを連打して起動メニューを表示します。メニューが表示されたら、F1キーでBIOS設定に入ります。BIOS設定が表示されたら、Startupへ移動します。
Startupへ移動したら、Primary Boot Sequenceを選択しましょう。
設定値を変更し、F10キーを押して、設定を保存して再起動します。
次に、セキュアブートを無効化します。先程と同様の手順でBIOS設定を開きます。
BIOS設定が開けたら、Securityタブに移動し、Secure Bootを探して開きます。(画面が異なっていますが、設定方法は変わりません。)
注意:セキュアブート設定変更前に、ディスク暗号化機能(WindowsのBitLocker等)を使用している場合は必ず復号化(無効化)してください。システムによる自動複合化を利用できなくなるため、暗号化されたドライブ内のOS起動時に暗号鍵(BitLocker回復キー等)を求められるようになります。暗号鍵を紛失した場合、ディスク内のデータにアクセスすることができなくなりますので、必ずディスク暗号化機能を使用していないことを確認したうえで続行してください。
Secure Boot設定が開けたら、Secure BootをDisabled(無効)に変更してください。変更したら、変更を保存して再起動すれば完了です。
これで下準備は完了です。お疲れさまでした。
続いてインストールを行いましょう。
まずは所定の方法(前項参照)でインストールメディアから起動します。インストールメディアからの起動に成功すると、このような画面が表示されますので、先程USBメモリにコピーしたファイルを選択しましょう。
ファイルを選択すると起動方法等を選択するメニューが表示されますので、Boot in normal modeを選択して起動しましょう。
起動すると、GRUBと呼ばれるブートローダーが初めに立ち上がりますので、Try Deepin Desktop 23を選択してLive環境(テスト環境)を起動しましょう。
下にスクロールして日本語を選択し、次へをクリックしましょう。(ここでの設定はLive環境に対して行われるもので、インストールに影響はありません。)
キーボードレイアウトを設定し、次へをクリックしましょう。
タイムゾーンを設定し、次へをクリックしましょう。
さあ、いよいよdeepinのデスクトップとご対面です。ここでdeepinを体験してみるのもアリでしょう。Live環境で行った変更は再起動するとすべて消去されます。
さて、実際にインストールする時がやってきました。デスクトップにある"インストール"をダブルクリックして、インストーラーを起動しましょう。
もう一度日本語を選択し、規約を確認して、問題なければチェックボックスにチェックを入れましょう。そうしたら、次へをクリックします。
次はインストール方法の指定です。この記事ではディスク全体(Full Disk)で続行します。
次はインストール先の指定です。複数ディスクを使用したデュアルブート環境を構築したい場合などは、しっかりインストール先を確認してから続行してください。インストールメディアを指定することはできません。指定したディスクのデータはすべて削除されますので、必要な場合はバックアップなどをとったことを確認してから続行してください。
インストール前最後の確認です。繰り返しになりますが、複数ディスクを使用したデュアルブート環境を構築したい場合などは、しっかりインストール先を確認してから続行してください。インストールメディアを指定することはできません。指定したディスクのデータはすべて削除されますので、必要な場合はバックアップなどをとったことを確認してから続行してください。
インストール処理が終わりましたら、このような画面になりますので、今すぐ再起動をクリックしてください。ここで注意点があります。ボタンをクリックしたら、すぐにインストールメディアを抜いてください。起動順序によっては再びVentoyが意図せず起動することになります。
再起動が終わると、このような画面になります。左下の言語やタイムゾーン等の設定を一度確認して、作成するアカウントとコントリビューター名の情報を入力しましょう。入力したら、あとは次へをクリックするだけです。最終処理が行われます。
処理が完了すると、ロック画面が表示されますので、先程設定したパスワードを入力してログインしましょう。
これでdeepinのインストール作業自体は終わりです!あとは日本語環境の構築と更新を行います。
日本語環境の構築の前に、やることがあります。そうです。更新です。この記事では、GUIで簡単に操作が行えるSynapticパッケージマネージャーを使用したパッケージのインストールと更新について解説しています。
始めにターミナルを起動します。
ターミナルが起動したら、以下のコマンドを入力します。
sudo apt update
sudo apt install synaptic -y
-yのオプションは任意です。オプション付きだと確認が省略されます。
これでSynapticがインストールされるはずです。そうしたらSynapticを起動しましょう。起動には認証が必要です。初回起動なので説明ダイアログが表示されます。内容を確認してダイアログを閉じてください。ダイアログを閉じたら、左上すべてアップグレードをクリックしてください。
依存関係についてのダイアログが表示されたら、マークをクリックしましょう。
次に画像の通りにクリックしてマークした変更を実際に適用します。初回の更新の場合、大幅な時間がかかります。
更新が完了したら、日本語環境の構築です。今回インストールするソフトウェアはmozcです。mozcとは、Google日本語入力のオープンソース版で、Linuxで利用可能になっています。画面右上の検索をクリックして、mozcと入力し、検索対象をパッケージ名に変更しましょう(任意)。そうしたら、検索をクリックして検索します。
deepinにはfcitx5がプリインストールされていますので、fcitx5向けのmozcであるfcitx5-mozcをインストール指定しましょう。先程と同様に依存関係の確認が表示されたら、マークしましょう。
依存によって自動でマークされると、緑色になります。このまま先程と同様の手順で適用してください。
適用できましたら、Synapticは終了させてもかまいません。ほかにインストールしたいパッケージがある場合は、追加させることもできます。
次に、入力メソッドの変更を行います。コントロールセンターを開きましょう。
キーボードと言語を開きます
入力メソッドを選択し、
追加ボタン(+)をクリックしてください。
画像の通り、Mozcを探して選択、追加します。
後で削除するのでこの作業は省略可能ですが、Mozcの優先順位を上げましょう
キーボード - 英語(US)を削除ボタン(-)を押して削除します。
これで日本語入力が可能になります。
次は最後の設定、フォントの変更です。このままでも大きな問題にはなりませんが、漢字が簡体中国語のものになっていますので、必要と感じれば、日本語用に変更しましょう。
標準のフォントのプルダウンメニューからNoto Sans CJK JPを選択しましょう。
お気づきの通り、Noto Serif CJK JPに変更すればセリフ体に変更することもできます。ここはお好みで調整してみてください。これで必要なセットアップは終わりました。ここまで大変お疲れ様でした。あとは自分の好きなアプリケーション等をインストールして、あなた好みのdeepinを作り上げてください!
ここまで非常に長い記事をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、deepinのインストールについて解説させていただきました。お気づきかもしれませんが、deepinは設定言語が日本語になっていても、一部が英語で表示されてしまっています。これがなぜ発生するかというと、翻訳のお手伝いをしていただける方の人数が限られていて、翻訳が適用されるスピードが新バージョンに追い付いていないからです。そこで、今回deepinに興味を持っていただいた方に、お願いがあります。日本語の翻訳チームに参加して、この状況を改善させるのをお手伝いいただけませんでしょうか。翻訳にご興味を持っていただいた方は、下のボタンから説明を読むことができますので、そのページの指示に従ってチームに参加してください。私たちは新しい翻訳者を歓迎します!ぜひ、よろしくお願いいたします!ありがとうございました。
ぜひ感想を教えてください!このコメント欄はDISQUSのサービスを使用しています。